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今回紹介するのは日本橋小舟町の「喫茶ストリーマー」。開店は2023年1月18日。
書き間違いではなく2023年1月18日(令和5年1月18日)です。これまで紹介してきたレトロ喫茶の中で最も新しい喫茶店です。
しかも運営しているのはサードウェーブ系コーヒーとして有名なストリーマーコーヒーカンパニー。これはどういうことでしょう。
立地と歴史
もともと喫茶ストリーマーの場所には「喫茶 郷」という1973年(昭和48年)開業の純喫茶があったそうです。
日本橋小舟町ですから周囲は完全に昭和なビジネス街。そうした街のリーマン(今風にいえばビジネスパーソン)たちに支えられて半世紀以上続いた老舗喫茶店です。
ただ喫茶 郷はCOVID-19のパンデミックの中、2022年5月で閉業。その店舗をストリーマーが居抜きで買って 純喫茶 という新業態でオープンしたのが今の「喫茶ストリーマー」です。
喫茶ストリーマーとしてはまったくのニューカマーですが喫茶 郷時代からと考えると開業から60年という立派な老舗、レトロ喫茶ということです。
▲日本橋でも裏手の裏側みたいな場所にある喫茶ストリーマー。
この外観からして以前の喫茶 郷の頃と変えてないのだそうです。
近所に勤め先があるとか取引先を訪問するビジネスパーソンに需要が高そうな店構え。週末などは閑古鳥なんだろうなぁと思ったら、近所の常連さんらしき方とかインバウンドのお客さんとかで賑わっていました。
訪問したのはオープンから間もない時期だったのですが、インバウンドのお客さんとかいったいどこで情報を仕入れて来るのでしょう。
▲メニューはかつての日本の純喫茶なものです。
”昭和48年からの本物喫茶を” とありますが、スタッフは郷時代の方はいないようです。メニューもたぶん変わっています。
あくまでもストリーマーによる本物の喫茶店、喫茶 郷へのレスペクトです。
店内
メニューやスタッフはストリーマーですが喫茶 郷を居抜きで継承したので店内は本物です。
▲低めの椅子とテーブル、壁はデザインしたレンガ風。
1973年にこれですから、ぜんぜんオシャレでもなんでもない喫茶店。
TVドラマに出てくるような街の喫茶店ですね。
▲こっちはソファ席。
ビニール張りですがこれもたぶん喫茶 郷のころから使っているのだと思います。
別に日本橋でなくても地方の鉄道の駅前など日本中に何千軒とあっただろう70年代の日本の喫茶店。
ただ訪問してみれば分かりますがブルーボトルのジェームス・フリーマン的な、サブカルチャーとしての喫茶店文化という視点からみるとあまり評価されないだろうなぁと思えます。
メニュー
ストリーマーコーヒーカンパニーはサードウェーブ系として知られていますが喫茶ストリーマーとしては日本の純喫茶風という路線なのでメニューもそうした路線に従っています。
▲自家焙煎、世界の珈琲、洋菓子といった喫茶店らしい文字が踊るメニュー。
そして食べログ百名店 2021, 2022 とありますが、それは喫茶ストリーマーじゃなくてストリーマーの渋谷本店のことだと思います。
▲メニューはコーヒー、ソフトドリンク、それと軽食。
トースト、サンドイッチ、ナポリタンなどが終日食べられるみたいです。
▲これはスイーツのメニュー。
▲そしてモーニングサービスやタイムサービスのメニュー。本メニューに載っているのを抜き出したものです。
朝8時から9時まで、1時間だけのタイムサービスはブレンド珈琲が350円でお代わり自由。
モーニングサービスは8時から10時まで。「郷のレトロモーニング」というのは喫茶 郷時代のメニューの再現なんだろうと思います。
メニューの内容もフォントなども注意深く再現しようとしていますね。もしかしたら喫茶 郷のままと勘違いしているお客さんもいるかもしれないですね。
オーダー
今回は午後の訪問だったのでモーニングサービスはオーダーできず、単品でのオーダーです。
▲こちらはブレンドコーヒーとザ・ロイヤルオペラ。チョコケーキです。
メニューにはComing Soonとなっていましたがなぜか勧められたのでオーダーしてみました。
サイズ感がおかしい写真ですがケーキが小さいのではなくコーヒーカップが大きいのです。
▲大きく深いカップに深煎のコーヒーがたっぷり入っていて、これぞ喫茶店の珈琲という感じです。
おしゃれでもなんでも無い店内を背景にコーヒーを飲んでいると本当に昭和48年にタイプスリップしそうです。
▲こちらは昭和コーヒー牛乳。
ミルクにエスプレッソを20ml注いだもの。30ml注いだ濃いめの大正珈琲牛乳というのもあります。
ビン入りのコーヒー牛乳というと思わず腰に手を当ててぐっと飲み干したくなりますね。
見るからにレトロですがストリーマーコーヒーカンパニーの人気メニューみたいです。
▲そしてブレンド珈琲とザ・ロイヤルオペラ。
ポイント
消えゆく歴史のある老舗喫茶店を居抜きで買って、メニューなどをレスペクトしながら次の世代へ継承していこうというストリーマーコーヒーカンパニーの試みは面白いですね。
スタイルはレトロ、でも中身は現代というのは誰にでも分かりやすいですし。
こうした動きはこれからもっと一般化していくんじゃないでしょうか。今回はストリーマーという企業によるものでしたが、若い人がこうした形態で起業していったりしそうです。
あとはオジリナルとなる老舗が伝え持っていた文化をどこまで継承できるかで差別化がされ淘汰されていくんでしょうね。
基本情報
店名 | 喫茶ストリーマー(KISSA STREAMER) 旧名:喫茶 郷 |
住所 | 東京都中央区日本橋小舟町4-9 MAP |
最寄駅 | 地下鉄三越前駅。JR新日本橋駅 |
定休日 | なし |
営業時間 | 8:00~17:00 |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
営業時間、定休日などは変更になる可能性があります。
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