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LES DEUX MAGOTS PARIS/ドゥマゴパリは、パリ、サン=ジェルマン=デ=プレ広場に本店のあるドゥマゴの海外業務提携第一号店です。東急文化村と同時に開業したパリそのもののカフェドゥマゴも今年で創業33年を迎えます。
立地と歴史
1884年にパリ、サン=ジェルマン=デ=プレ広場に誕生したカフェ「ドゥマゴ」はピカソやヘミングウェイなど多くのアーティストが集い、幾多の文学や芸術が育まれたパリの有名老舗カフェです。
その海外業務提携第1号店として文化村創業の1989年にオープンしました。1989年というと平成元年です。ぎりぎり昭和ではないのですが、パリから日本初出店は確実に昭和に計画されたはずですし、本店であるパリのドゥマゴはなんと言っても100年越えの老舗中の老舗なので、ラブレトロ認定です。
あとは、90年代に自分もかなり通い倒したので、思い出深いカフェということも大きな理由です。
現在の本店であるパリのドゥマゴは、その客の70%が観光客と言われています。パンデミックの現在は、海外からの観光客が減り、フランス国内の観光客によって支えられているのでしょうか。
店構え
その席数は180席のうち店内席が60席、テラス席が120席と、本店同様に圧倒的にテラス席の方が多いのも魅力の一つです。
120席のテラス席は、文化村の中央吹抜の中庭にあり、広々としていてとっても気持ちのいい空間です。パリのドゥマゴほど密度が高くないので優雅な時間を過ごせます。
冬でも充実した暖房器具が設置してあるので問題ありません。美しい花々、手入れの行き届いた植栽でまるで屋外のガーデンにいるみたい。だけど本物のガーデンと違って暖房器具もあるし虫も少ないから快適です。
お店のロゴマークは、店名のドゥマゴ(2つの中国人形)から来ています。この「ドゥマゴ」というのは、当時パリで人気のあった演劇のタイトルからとったものです。現在もその中国人形がロゴマークとして使われています。▼
店内
店内の席は入り口から階段を登るとテーブル席が並んでいます。ウォールナット色で統一された落ち着いた空間です。
壁には本店のあるパリ街並みを撮ったモノクロ写真がかけられ、かつてパリのドゥマゴにも来ていたパブロ・ピカソの肖像写真もありますね。テラス席ほどではありませんが、店内席も天井が高くて広々しています。
日本のドゥマゴは、ルーヴル美術館の内装も手がけたフランス人建築家ジャン=ミシェル・ヴィルモットが手掛けました。ジャン=ミシェル・ヴィルモットは、ウィスキー蒸留所の樽貯蔵庫群を改修して美術館にした軽井沢のメルシャン美術館(2011年閉館、写真の美術館Miyota Museum of Photographyとして2022年夏開館予定)も手掛けています。
パリのドゥマゴは老舗の「文学カフェ」と呼ばれているのですが、それは1933年にドゥマゴの常連によってドゥ・マゴ賞が創設されたことによります。そして、日本のドゥマゴもこれに倣い開店の翌年1990年からbunakmura ドゥマゴ文学賞が設けられました。その歴代受賞者のプレートがお店の入り口に飾ってありますので見逃さないように。
メニュー
メニューはデザートセットの写真しかありません。
でも、ここに来たら絶対にオーダーしたいのが、タルトタタンです。
タルトタタンを食べておけば間違いありません。という気持ちから、タルトタタンが乗っているところしか写真を撮っていませんでした。▼
オーダー
というわけでタルトタタンとコーヒーのセットです。飲み物はおかわり自由なのが嬉しいですね。と言っても二杯が限界ですけれど。
ここのタルトタタンは、本当に美味しいです。
私自身アップルパイよりもタルトタタン派なので、タルトタタンがメニューにあるとオーダーしがちなのですが、いろんなところで食べていますが、本当に美味しい。是非、一度試してみてください。まぁお値段もそれなりにいいのですけれど。▼
こちらはオレンジとショコラのケーキです。これもまたショコラの美味しいこと!おフランスの味がしました。▼
2023年以降は?
今回久しぶりに行ったのですが、以前よく通っていた頃はギャルソンばかりだった記憶なのですが、今回行ってみたら女性ウェイトレスしかいませんでした。あの声の太い恰幅のいいギャルソンはどこへ〜。
さて、実は、東急文化村は隣接する東急本店の閉店によりこの地区を一体化した再開発の予定があり、2023年より東急本店が解体、文化村も改修のため長期休館に入ることになっています。そこで、今回お店の方に2023年以降の予定を聞いてみたものの、長期休館の間どうなるのかは全くわからないとのことでした。
できるなら休館中もどこかで営業してほしいですね。お願いします!東急さん。
2023年4月9日営業終了(追記)
2023年お正月に再訪してきました。残念ながらドゥマゴパリは2023年4月9日(日)で営業終了です。その後の予定は未定だそうです。
そもそも東急百貨店とBunkamuraが1月31日で営業終了してしまうんです。
Bunkamuraの公式HPの発表を以下引用します。
“株式会社東急文化村(以下、当社)が運営する複合文化施設「Bunkamura」は、2023年1月31日(火)に営業を終了する東急百貨店本店土地の開発計画、「Shibuya Upper West Project」に伴い、オーチャードホールを除き2023年4月10日(月)より長期休館いたします。”
なお、Bunkamura館内のドゥマゴをはじめ、他のレストラン、ショップなども2023年4月9日で営業が終了します。
2023年6月 移転再開(追記)
ドゥマゴパリは2023年4月9日で営業を終了しますが、その後は渋谷TOEI跡地に移転する映画館「Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下」のカフェスタンドとして再開するそうです。
食事メニューは難しそうですが、コーヒーや軽食を提供するということなので、名称とコーヒーの味は残るようです。
▲コースターにはオーストリアの作家シュテファン・ツヴァイクの遺作「昨日の世界」からの一節が書かれています。
Cafe house was the best cultural source for all novelty.
黄昏れつつあるヨーロッパ文明を振り返った作品に描かれている、コーヒーハウスが文化の中心的な役割を果たしていたWW2以前の世界。その代表的なカフェ「ドゥ・マゴ」にぴったりな言葉ですね。
いつかまたドゥマゴに再会できる日を願ってやみません。
基本情報
店名 | LES DEUX MAGOTS PARIS/ドゥ マゴ パリ 2023年4月9日営業終了 |
住所 | 渋谷区道玄坂2丁目24−1 MAP |
最寄駅 | 渋谷駅徒歩約7分、井の頭線神泉駅徒歩約5分 |
定休日 | – |
営業時間 | 11:30 – 21:00 |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
営業時間、定休日などは変更になる可能性があります。